2005年6月1日(水)21:16

オランダ国民もEU憲法を明確に否決

ハーグ(AP)

オランダ国民は水曜日、3日前のフランス国民よりさらに明確にEU憲法を否決した。テレビ局の予測最終得票によれば、およそ63パーセントが反対、37パーセントが賛成と予測されている。明確な否決は大方の予想するところであった。投票率は62パーセントで、各政党が国民の意思を尊重する最低ラインとした30パーセントをはるかに上回った。

ヤン・ペーター・バルケネンデ首相はこの日の晩最初の声明を発表し、政府も国民投票の結果を尊重すると述べた。フランスと異なりオランダの国民投票の結果に拘束力はない。「オランダ国民は意見を表明した。その結果は明白である」と首相は語ったが、一方で今回の結果に対する失望を表した。

バルケネンデ首相は午前中自らの投票の際にも国民に支持を求め、楽観的な見方を示していた。「問われているのは、私たちは今日前進を望むのか停滞を選択するのかということだ。私には決定は明白だ。」

バルケネンデ首相は投票前日の晩テレビ放送で、国民投票の否決は内閣退陣に結びつかないとあらためて強調していた。フランスではEU憲法否決を受けて内閣改造が行われている。

オランダがEU憲法を国民投票で決定するのは初めてのことである。これまでドイツを含む9ヶ国がすでに批准を済ませている。EU憲法の発効には加盟全25ヶ国の批准が必要とされる。批准手続きはオランダの否決でも差し当たり継続される。EU各国首脳は、6月16日と17日にブリュッセルで開かれる首脳会議で今後の対応を協議する意向である。

欧州委員会のジョゼ・マニュエル・バローゾ委員長はこの間、EUの憲法問題の危機で一方的な方策に走らぬよう加盟国に対して警告した。「オランダの結果がどのように出ようとも、首脳会議前に加盟国が一方的な行動を取らぬよう望む」、とバローゾ委員長は水曜日の晩、第一回の最終得票予測の前にブリュッセルで語った。

ドイツ政府はオランダ国民の否決に遺憾の意を表明したが、引き続き欧州連合の憲法批准手続きを進めるよう求めた。ゲルハルト・シュレーダー首相はこの日の晩、私は今回の国民投票の結果を尊重するが、大変残念なことと受けとめる、と語った。「民主的で社会的で強い欧州を望むなら、私たちには憲法が必要だとの私の確信は変わらない。」ヨシュカ・フィッシャー外相は、この決定はEUに大きな課題を突きつけたと述べた。

EUの政治家も最初の反応では大きな失望を示した。「結果は落胆するものであるが、明白でもある」と欧州議会の社会民主党のマルティーン・シュルツ議員団長はブリュッセルで語った。欧州議会のキリスト教民主同盟のエルマー・ブローク議員も、この結果はEUが憲法の意義を十分に周知説明しなかったことを示すものだと述べた。

原題:Klare Absage der Niederlaender an EU-Verfassung




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